フクイヒロシ

怪談のフクイヒロシのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
3.5
第38回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネートとのこと。
4本の短編からなるオムニバス。


ギリシャ生まれのラフカディオ・ハーン(ペンネームは小泉八雲)が妻の節子から聞いた伝説、幽霊話を17篇独自の解釈でまとめたものが原作『怪談』(1904年)。

その原作をもとに、構想に10年を要し、9ヶ月の撮影期間と多額の予算をかけて製作されたのが今作。

製作費は当時で3億円だから相当。
でも興行収入も2億円なので回収できず。。
評価は高く、アカデミー賞やカンヌ映画賞、国内でも各賞受賞。


監督の小林正樹は本作品が初のカラー映画。


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『黒髪』

32歳の三國連太郎の存在感が凄い。。。
フェロモンただ漏れのセクシー武士じゃん。。

ホラー映画は幽霊とか怖いんじゃなくて「それを怖がってる人」が怖い。
怖い〜!っていうリアクションが怖い。

今作でそれをやるのが三國連太郎。

人ならざるものになってしまった元妻に怯える三國連太郎自身が人ならざるものになってしまう。。


実際メイクで顔が青白くなっていくし
急激に年老いて
狂っていくのがこわい。。



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『雪女』

俳優陣のエネルギーはすげえけど、、

そもそもリアリティを出そうなんて思っていない舞台美術。

完全に背景が絵。しかも絵ですよ、ってのがわかるようなタッチ。

スタジオ感満載の照明。

わざと、なんでしょうね。。
なんらかの効果を期待してるんでしょうけれども。

全然寒くなさそうなながほんとに致命的。。
むしろ過ごしやすいちょうどいい室温なんだろな。。



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『耳なし芳一』

芳一めっちゃ可哀想。。

長い。。

4つの作品のオムニバスで3時間の上映時間中、耳なし芳一だけで1時間はあるでしょ。
なんなのさ。



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『茶碗の中』


結末のない怪談話『茶碗の中』の映像化。

『茶碗の中』を書いた小説家と版元の視点で描かれます。
どうして結末がないのか。

うん、これは怖い。。

ラストのおじいちゃん。。