Jumblesoul

怪談のJumblesoulのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
3.5
四話の構成による小林正樹監督のオムニバス作品で、160分の短縮版が第18回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した。
第一話と四話は初めて知る作品なので変だと思ったら、『怪談』以前に書かれた小泉八雲の短編集からのものだった。『怪談』そのものは八雲の日本人妻から聞いた話をまとめたものなので、他の二編は創作に近いものかもしれない。
有名作の『雪女』『耳なし』に『黒髪』は美術の美しさと俳優陣の熱演が見事。『耳なし』の海岸のシーン以外は全てスタジオ内のセットで撮影されているのが凄い。
俳優では平家武者の亡霊役の丹波哲郎の不気味さと、『黒髪』の女房役の新珠三千代の美しさが印象に残った。
第四話の結末のないホラー『茶碗の中』は、筒井康隆や小松左京の書いたショート・ショートみたいで、個人的には一番好き。
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