せびたん

怪談のせびたんのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
4.5
今までレビューの本数はまったく意識してなかったんだけど、ホラーやオカルトものの愛好者として666本目だけは意識しとこうかなと思ってました。 オーメンで有名になった悪魔の数字ってやつですので。
そしてなんと今回が666本目のレビューなんですが、作品はこれにしました(´∀`)

古きよき時代の邦画なのですべてがキラキラしてました。これは観た方がいいと思います。
なんなら一家に1本、DVDかBluRayを置いといたほうがいいような。いやこれ80%くらい本気で言ってます。残りの20%はノリというか勢いというか…。

ちなみに本作が興行的に失敗した結果、あの《にんじんくらぶ》が破綻したといういわく付きの作品でもあります。
なんでこれが興行的に失敗するんですかね?
早すぎた傑作だったんでしょうか。

いかにも武満徹です他の誰でもありませんよ、という感じの音楽も雰囲気出してました。
ずっと傑作だと聞いていたし興味もあったのに初見でした。とっとと観とけばよかった。


«黒髪»
定職にありつけることに目がくらみ、妻を捨てて家柄のよい別の女と結婚した男。再婚してから捨てた元妻の細やかな愛情に気付く。復縁するため元妻宅を訪れる。和解する。がっ!

これと似た話は溝口健二の雨月物語にもあったような。あちらは幽玄な感じ。こちらは理知的なカットバックがかっこいい。


«雪女»
幻想的な?シュールな?書割がいい味出してました。大掛かりなセットがすごい。そしてCGじゃない吹雪がすごい。そして久我美子ほどじゃないものの岸恵子がかわいい!

«耳なし芳一の話»
みんな知ってるあの話。耳にだけ念仏書き忘れるなんて、おちゃめな僧侶ですね。
ふっ。絶対わざとでしょ?とか。疑い出すときりがなくなる疑惑の僧侶。実は彼こそが主役なのかもしれない。

«茶碗の中»
結末のない話なんていうとんがったものが小泉八雲の怪談にあるのもビックリだけどこの時代の映画で取り上げられているのもびっくり。個人的には1番好きな話でした。

5.0でもよかったんだけど、オムニバスだったし、なんだかんだいって3時間はやっぱ映画として長いんで…。

これが好きな人には溝口健二の「雨月物語」がおすすめ!
あのゴダールがパクッたというクレーン撮影(ゴダールの映画史という本の中でゴダール本人がパクッた言うて…はいないですが引用したとか敷衍したとか言ってた思うので間違いありません笑)が見れます。
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