Growltiger

怪談のGrowltigerのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
3.8
「黒髪」「雪女」「耳なし芳一」「茶碗の中」4つの怪談を映画化したオムニバス作品。


180分超えで一瞬躊躇しましたが、1話45分程度なので自宅鑑賞なら少しずつでも楽しめます。
制作費のわりに興行収入が振るわず会社を倒産させてしまったそうですが、壮大なセットがとても魅力的でした(ほぼセットで撮影されたそうです)。出演者もやたら豪華。

「黒髪」
初めて知った怪談ですが、あれは妻の愛か怨念か。
言葉で説明したら1分で終わりそうな話を40分かけるので少し長く感じたけれど、その“間”が良いのかも知れない。
三國連太郎がカッコ良くて、ラストは凄い。

「雪女」
有名な話ですね。岸惠子の雪女が素敵でした。
セットを活かした不気味な雪山の背景や照明の演出が良い味を出してます。

「耳なし芳一」
こちらも有名な話ですが、4つの中で1番好きでした。
壇ノ浦の合戦、芳一が亡霊達の前で琵琶を弾く姿、圧巻です。

「茶碗の中」
こちらも初めて知った怪談でした。「世にも奇妙な物語」とかにありそうな何とも不思議な余韻を残す話です。
映像的には大したことないですが、ストーリーでは私はこういう話が1番怖いです。謎を残すから余計にどうなったんだろうと不気味さがいつまでも残ります。


全編、怖さやグロさはそこまで無いので「怖い映画」という感じでは無いかも知れません。
「怪談の芸術作品」とでも言いましょうか。