こたつreboot

ドラえもん のび太と鉄人兵団のこたつrebootのレビュー・感想・評価

3.9
★ 刻の向こう側に、君は天使の涙を見る…

これは大長編ドラえもんの新境地ですね。
前作までは「○○での冒険」という軸だったのが、本作では「宇宙より襲来する鉄人兵団との戦い」というハードな展開。また、物語の要が《リルル》というゲストキャラクターであることも大きな違いです。

そして、それらが功を奏して、とても歯応えのある物語に仕上がっていました…が、子供にその魅力が上手く伝わっているか、と言うと微妙なところ。自分も子供の頃は物足りなく感じましたし、うちの愚息も退屈そうにしていました。

やはり、子供には“王道”が一番なのです。
しかも、のび太が手に入れたロボット《ザンダクロス》が格好良いですからね(古くはジムから始まり、百式やエルガイム、パトレイバーなどに繋がる外観というのが素敵)。《ザンダクロス》の活躍に期待するのも当然なのです。

しかし、本作の醍醐味はロボット対決ではなく。人間とロボットの交流…異なる環境に育った者同士が言葉を交わすところなのです。そして、その架け橋が《リルル》。のび太やしずかちゃんの優しさに触れ、変化していく心情。もうね。終盤の展開は涙無くして観ることが出来ません。

また、それ以外にも沁みるポイントは多数。
ドラえもんが口にする「全力で何かをすれば道が開ける」という言葉も。のび太がしずかちゃんを助ける場面も。ジャイアンが示した胆力も。スネ夫とミクロスがコメディリリーフとなるのも。どれもが名場面なのです。

だから、これまでの作品よりも年齢層が上になるのは仕方ないのでしょう。それに『ドラえもん』を観続けた子供たちだって成長するのですから、作品だって成長が必要。藤子・F・不二雄先生はそれを感じ取って、本作の構想を練り上げたのかもしれません。

まあ、そんなわけで。
未だに名作として誉れ高い作品。
再鑑賞してみて、じっくりと本作の良さを感じ取りました。ただ、愚息はそろそろ『ドラえもん』に飽きてきた模様。贅沢な奴め。

…でも、それが成長なのかも。
次の作品からは一人で観るかなあ。

To be continued… →→→ 『ドラえもん のび太と竜の騎士』