Ryo

ロッキー・ザ・ファイナルのRyoのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
4.0
"どんなにキツいパンチだろうと、どんなにこっぴどく打ちのめされても前に進むんだ。ひたすら苦痛に耐え進み続けろ。立て!"
ーーーロッキー・バルボア

世界で愛されるボクシング映画の金字塔・ロッキーシリーズのラストを飾る「ロッキー・ザ・ファイナル」。

監督・脚本・主演を務めるシルベスタ・スタローンは齢50を超え、激しいフィジカルシーンのある映画の最終作となれば、トロフィームービーの意味合いが強くなるかと思われた。が,しかしである。

最愛の妻エイドリアンに先立たれ、生きる意味を見失うロッキー。新世代のチャンピオンの挑発に,心の奥に燻り続ける闘争本能を掻き立てられ、ロッキーは人生最後のリングに立つ。

クライマックスの試合シーンはこれまでのロッキーシリーズでも最高のクオリティと呼べる圧倒的な迫力とリアリティがあった。ハードトレーニングの末に鍛え抜かれたスタローンの動きは劇中のロッキーとシンクロし、もはや老いぼれと呼べる動きではない。かつてのヘビー級王者の輝きを取り戻していた。

どれだけ身体が老いようが関係ない。
どれだけ打ちのめされても立ち上がる。
不屈の魂でリングに立ち,飢えた虎の眼で相手を見据える。
一作目から続く”ロッキーイズム”を色濃く受け継ぐ本作は良い意味で観客の期待を裏切る。鑑賞していて胸が熱くなる,シリーズ最終作にして最高傑作となった。
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