バートロー

ロッキー・ザ・ファイナルのバートローのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
4.0
ロッキー50歳、スタローン60歳。
とっくにピークを過ぎて地元でイタリア料理店を営むロッキーは周りから尊敬される人気の元チャンピオンでありながら、その存在は完全に「過去の人」になっていた………………という自虐シリーズ。

エイドリアンをガンで亡くし、喪失感に苛まれていたロッキーに再びヘビー級チャンピオンへのエキシビションマッチが組まれることになったのが今回のストーリー…
ロッキーシリーズを知らない人からすると「何回同じ事を」と思うかもしれませんが、ロッキーは毎回ストーリーが違うから面白いんですよ!!!!
今回は!本当に!ロッキーが!おじいちゃんみたいなのに!戦うんですよ!!!!!!!
今まではボクサーとして引退の岐路に立つロッキーが再起する物語でしたが、いよいよボクサーとしてだけではなくて、男として、親として、人として引退を迎えつつあるのが今回のロッキーなんですよ。

頭髪はほぼ白髪でよぼよぼのロッキーが初めてアポロに挑戦した時のような勢いでトレーニングを始める姿は再びロッキー1をなぞっていきます。
かつてのトップアクション俳優だったスタローンも十年近くヒット作には恵まれず(2006年当時)、目に見えて老い始めた「過去の人」だったこととリンクするのが面白い。ロッキーの人生はスタローンの人生といつもリンクしている。
かつてのツヤは消え、不自然に血管の浮き出た上半身がとても痛々しい(完全に"アレ"のせい)。それでも体に鞭を打ち、不細工でもいいからとにかく魅せるんだよ!と言わんばかりのスタローンの熱意には圧倒されます。

果たしてエイドリアンがいなくなってもロッキーはくじけずに前に進むことが出来るのか?というのも注目ポイント。「ロッキー5/最後のドラマ」ではロッキーがボクサーじゃなくなってもロッキーのストーリーは続くということが証明されましたが、ロッキーの勝利の陰には常にエイドリアンがいました。
最愛の人を失い、過去にとらわれたロッキーは再び前に進むことが出来るのか。

何がびっくりかというと、この「ロッキー・ザ・ファイナル」を期にスタローンがアクション俳優として完全復活し、「ランボー/最後の戦場」をヒットさせ、あまつさえロッキーに代わる自虐ネタシリーズ「エクスペンダブルズ」を作り出すという意欲を取り戻すというところ。御年69歳、来年はなんと70歳のアクションスター。
時折、スタローンは「ロッキー」や「ランボー」よりも凄いのではないかと思うことがあるのですがこれは最たる例ではないかと思います。
ロッキーというジャンルの映画「ロッキー」も本当に終わりかと思いきや、「クリード」の名前を継いだアポロの息子をマイケルBジョーダンが演じ、69歳のスタローンが再びロッキーを演じる映画が今年の映画界を賑わせるという何とも言えないうれしさがあります。
「まだ続くのかよ」とお思いになるでしょうが、みなさんにはスタローンが死ぬまで「ロッキー」と「ランボー」にはお付き合い願いたいと思います。