シンタロー

ザ・フォッグのシンタローのレビュー・感想・評価

ザ・フォッグ(1980年製作の映画)
3.7
鬼才ジョン・カーペンター監督によるホラー映画。
小さな港町アントニオ・ベイ誕生百年祭の前夜。キャンプファイヤーを囲む少年達は、老師の語る街の古い伝説を聞き入っていた。午前0時、アントニオ・ベイのラジオ局KABのDJスティーヴィーが街の百周年を告げる。それと同時に濃霧が街を覆い、不可解な出来事が至る所で続発。さらに漁師3人が殺害直後にも関わらず、ひどく腐敗した状態で発見される謎の事件が起こる…。
78年「ハロウィン」の大ヒットで一躍注目されたジョン・カーペンターの次作が、期待を裏切らずこちらもヒット。ヒッチコック、フリードキン、アルジェント等々の影響を感じさせるショッキングな演出で、脚本、音楽も手がける多才ぶりを発揮。街の誕生にまつわるミステリアスな謎の真相を、一昼夜の出来事として、3人のヒロインのエピソードを同時進行させながら描くという、当時としては斬新な手法を見せています。
3人のヒロインには、当時のカーペンター夫人エイドリアン・バーボー、「ハロウィン」に続いてジェイミー・リー・カーティス、その実母で名女優ジャネット・リー。
時代を感じさせるすごい髪型のエイドリアン・バーボー。DJ役だから仕方ないけど、色っぽい声色で得意気に語る感じが苦手です。ポーラ・アブドゥル系の濃い顔で自分には魅力がわかりませんが、カーペンターが後に起用する女優陣見ると、お好みなんでしょう。今回も絶叫パートのジェイミー・リー…やっぱり老け顔で馬面…とはいえ、自分は好きです。本人も何かのインタビューで、美人な母にコンプレックスを…みたいなことを語ってましたけど、迷走しながらも絶叫クイーンだけで終わらなかったキャリアは立派だと思います。撮影時52歳のジャネット・リー。それでも十分キュートに見えるんだから、大したものです。恋多き女優としても有名で、ジェイミー・リーは3人目の夫トニー・カーティスとの娘。貴重な母娘共演も当時話題になりました。
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