Kumonohate

壮烈第七騎兵隊のKumonohateのレビュー・感想・評価

壮烈第七騎兵隊(1941年製作の映画)
3.8
カスター将軍の半生を描いた英雄伝。1941年作。ゲティスバーグの戦い(南北戦争)など名シーンが続々。特に、クライマックスのリトルビッグホーンの戦いにおけるインディアンと第七騎兵隊との騎馬&銃撃戦は、馬の数の多さや役者の騎馬技術の高さなどもあり、ド迫力。やんちゃだったカスター将軍が人格者へと成長してゆく様が、妻とのラブ・ストーリーをからめながら丁寧に描かれていることもあり、その結末は涙を誘う。面白い。

だが! 第七騎兵隊連隊長に就任して西部に赴いた後、(白人による上から目線ではあるものの)インディアンとの共存を望むも悪徳政治家や商人によってその協定が破られ、やむを得ず戦いに身を投じた挙げ句に死んでゆく、という後半部分は大ウソ。「あくまでフィクションですから」と思う一方で、やはり、当時のアメリカ合衆国の国策であるインディアン殲滅を率先して推進した当人である、という事実を知っていると、諸手を挙げての評価は憚られてしまう。

そして、そんなカスター将軍に対し、今も英雄視と批判が繰り返されているところが This is American だなと思う。西部開拓時代のフロンティアスピリッツに始まりトランプ政権の誕生に至るまで、連綿と続いているアメリカの抱えるジレンマだなと思う。
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