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フィツカラルドのwigglingのレビュー・感想・評価

フィツカラルド(1982年製作の映画)
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「船頭多くして船山を登る」ってことわざがありますが、本作はたった一人のイカレた船頭が船を山に登らせる物語。ヘルツォークとキンスキーの代表作ですよね。でも自分はこれが初鑑賞。やー、カルト化するのも納得の衝撃作でした。

船といってもチンケなやつじゃなく320トンの客船だからね。そいつをCGはもちろん特撮もなしでガチで山越えさせるという狂気の沙汰。
現地のインディオを使役して木を倒し山を削り船の道を造成し引っ張り上げる、その映像の凄まじさたるや。

『アギーレ 神の怒り』を観た時に、これって『地獄の黙示録』の元ネタじゃんと思ったんですよ。調べたらその通りで、コッポラは強くインスパイアされた事を公言している。
そして本作を観て、今度は『地獄の黙示録』と同じシーンがたくさんあって驚いた。特に大量のインディオがカヌーで船の退路を埋め尽くすシーンは、ウィラード部隊がカーツ帝国に着いた時のシーンと瓜二つ。
制作年からすると本作の方が後だから、今度はヘルツォークがインスパイアされたことになる。こちらの真偽は不明だけど、ヘルツォークとコッポラはお互いを強く意識していたんだろうな。

これほどに壮大な無駄をよくぞやり遂げたというか、ぶっちゃけ究極の馬鹿なんだけど、この清々しさは何なのか。ラストの船上オペラのシーンが神の祝福に見えた。