わたふぁ

フィツカラルドのわたふぁのレビュー・感想・評価

フィツカラルド(1982年製作の映画)
4.0
ジャングルの奥地にオペラ座をつくるため、船で山を越えようとする男の話。

フィツカラルドは夢多き人。オペラ狂であると共に、誰もが抱く「有名になりたい」とか「お金持ちになりたい」という漠然とした志も抱く男。

資金を得ようと金持ちの周りをウロウロし、隙いるチャンスを狙う素ぶりも見せるが、基本的にこの男、悪い人ではない。
“ジャングルでオペラを..”という夢も、目的こそわからないが、その真意に“裏”は無いように思える。誰かの気を引きたいとか、褒められたい、という邪念は見えない。
どこか憎めない男で、関わる人は皆、つい手を貸したくなる人物のようだ。

それと、「人生の主役は俺だ!」と言わんばかりの“推進力”に惹かれるのだと思う。未開の地を冒険しアメリカ大陸を発見したコロンブスも普通の人間だろ、と同じフィールドに立って物事を考えられるような人だ。

スクリーンの内側が劇的なら外側も同じ。
実在した人物の偉業を再現し、しかもそれをカメラに収めるのだから、当時と同じようにそれは劇的なシチュエーションになるでしょう。
100人でも余裕で乗れそうな船が、山を一つ越える時、

監督ヘルツォークと主人公フィツカラルドの、どデカイ「夢」が重なります。

人生には「夢」が必要だと教えてくれる映画。何度見ても壮大な映画。
衣食住のつぎに夢を。