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やくざの墓場 くちなしの花のRenkonのレビュー・感想・評価

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「警察とヤクザの癒着」を描いてる点では『県警対組織暴力』の系譜に属する作品ではあるのだが、
それまでヤクザとの接触を突っぱねていた警察官のアイデンティティが次第に揺らいでしまう部分に着目しているので、県警〜とはまた違った描き方となっている。

ヤクザとの癒着をトコトン嫌い、一匹狼ながら数々の検挙を重ねてきた黒岩刑事(渡哲也)。取り調べでは「極道はなぁワッパ嵌められてからが檜舞台って言うじゃねえか」と、ヤクザもん以上の骨太感を見せつける。

そんな黒岩も、懲役くらったヤクザもんの夫を待つケイコ(梶芽衣子)に惹かれたことなどをキッカケに、徐々にやくざの世界と接触していく。
組の宴会の席上。
姐さんといい感じになっている黒岩に腹を立てた幹部の岩田(梅宮辰夫)は、黒岩と殴り合いの喧嘩をおっ始めてしまう。

個人的にはその後のシーンがとても好きだ。(2人の喧嘩を、バナナを頬張りながらニコニコ顔で観戦する金子信雄の画もかなり良いが)
揉みくちゃの喧嘩をした2人は、次のシーンで何故かホテルの一室に。
黒岩にウイスキーの瓶をポーンと投げた岩田は、ソファーに座り黒岩の喧嘩強さを讃える。
「3度のおまんま万引きで凌いだ」などと自らの過去を語る岩田。
すると突然「喧嘩もようやったが、センズリもようかいた」という話をし始める。
「ふっ。喧嘩の後ならええもんじゃ」と返す岩田。
「ほうか!ほっだらわしらはセンズリ兄弟やな!どや、ダブルでお祭りといこか?」
(ここでまさかのゲイ展開??)
「…お祭りてなんや?」
すると突然立ち上がった岩田は
「ヘイ!ゲニーとサニー、カモン!」と手を叩き(よく見るとお尻の部分が破けてる)外人女が部屋に入って来るのだ!

こうして警察とやくざ、別々の道行く2人の男は遂に兄弟盃を交わしてしまうのであった。それが破滅への幕開けとは知らずに。

なぜ黒岩がヤクザへの嫌悪を氷解させたのか?
お金の面で言えば女に対する男の意地を見せたかった所があるのだろうが、
深層的には彼自身のバックボーンが、ヤクザもんの彼らと似通っていたからなのだろう。

くちなしの白い花のような、梶芽衣子の凛とした美しさが印象的だった。

http://youtu.be/s-NsM4kUx9o

※県警〜で壮絶な取り調べシーンを熱演した拓ボンが、今作では逆に警察側で横暴な取り調べを行っている。
被疑者を何故か取り調べ室から道場に移動する拓ボンと渡。
軽々被疑者を背負い投げする渡に対し、全く技をかけられずに逆に投げられてしまう拓ボンがおもむろに竹刀をもち、被疑者をバシバシ叩くシーンから、県警〜へのカタルシス的なものを生んでいた。