ペコ

鏡の国の戦争のペコのレビュー・感想・評価

鏡の国の戦争(1968年製作の映画)
3.5
冷戦スパイ映画。
映像はクリアな雰囲気で綺麗です。カットの繋げ方がフランス映画っぽいかな?音楽もムーディーでオシャレ。
原作はル・カレの小説。(未読です)
東ドイツのミサイルの有無を探るために、イギリス諜報部はポーランドから密入国して捕まった若者ライザーを投入する。
このライザーくん、金髪で色男。妊娠させちゃった女の子は別に好きじゃないけど、お腹の赤ちゃんは可愛いんだとか言ってる、いわゆる、まだ大人になりきれてないガキ。その彼がスパイとして東ドイツへ密入国し、任務を果たそうとすることにより、大人の男になっていく姿(通過儀礼)を描いている。と同時に、大人たちがやっている戦争は、実は子供の遊びの延長線上にあるゲームと同じでくだらないものなんだ、という反戦的内容も読み取ることが出来る。
一応アメリカ映画ということですが、ハリウッド的な分かりやすい演出はなく、フランス映画のような言葉少なで上品な面持ちの作品。
リアリティはあまりないかも。だってこんな金髪イケメンで目立つ奴を普通スパイにしませんよ。笑
またライザーくんが政治や軍事情勢に全く興味ないみたいで、終始出会った女の子とイチャイチャしてました。それが大人たちに振り回される悲劇の若者って感じでとてもいいです!
個人的には、わずかなあいだ友情を結ぶ二人の若者と大人、ライザーとアンソニー・ホプキンス演じる男のシーンがもう少し見たかったな。でもコンパクトにまとまっていて、これはこれでステキでした、はい。
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