まりぃくりすてぃ

リオ40度のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

リオ40度(1956年製作の映画)
2.9
shibamike流二段マリ(勝手に昇段しました)休日の一句
「秋深し “シネマ・ノーヴォ” を初鑑賞」
(季語/ノーヴォ→ノブオ→ペンギンズ→冬)
(ペンギンズなんて知らない!って人用季語/シネマ→ねぎま→焼き鳥屋→塩ですかタレですか→あなた誰ですか、勝手に人んち入ってこないでください→サンタ→冬)

というわけで、イタリアのネオレアリズモがブラジルに飛び火した初めの一歩がこの作品だそうです。「暗く、貧者たちに心を寄せすぎで共産主義的」「リオ・デ・ジャネイロが摂氏40度になることなどないのに、このタイトルは何だ?」などと経済開発優先主義の政府当局が言いがかりをつけ、1955年当時は上映禁止にしてたんだと。
まあ、ネオレアとかノーヴォとかヌーヴェルとか映画史バナシは脇において、一作品を作品として厳正に眼差(まなざ)すのを第一とする2019年のマリからすれば、、素人さん大集合の本作は「大人出演者のほとんどが何となく子供っぽく映ってる一方、子役たちは子供以上の何かとして輝いてる」気がする面倒クサぎみの地味映画。(嚆矢は嚆矢だからブラジル映画史においてはもちろん最重要作の一つ。世界音楽史におけるジョビンの一曲ほどじゃないけど。)
前半の、動物園に迷い込んだお目目クリクリの坊やの数分間は、あの “世界一美しい映画”『Sunrise』に匹敵する麗しさでした。
申し訳ないけど、大人たちは何を言ってもどう動いても子供たちよりも魅力がないね。映画の内でも外でも。。
てことで、非ハリウッド主義で行くのはたいへん結構だけど、いい意味でのウェルメイド感は多少やっぱり必要。かも。つまんないほうだから。サッカー試合が全然キビキビしてないのは何げに致命的?
顔だけなら家政婦役(グラウセ・ローシャ)のイケメン女度がちょっと目立ちはした。まさかもう一人の巨匠グラウベル・ローシャの、妹じゃないだろね?

「頭に思想を、そして手にはキャメラを!」(ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督)
「背にリュック、手にはスマホのディズニーツムツム! ついでにキャラメルも」(日本の遠足のガキンチョども。とにかく秋深し)

[アテネフランセ文化センター “ペレイラ回顧”]