Jimmy

犯罪王リコのJimmyのレビュー・感想・評価

犯罪王リコ(1930年製作の映画)
3.6
ギャング映画の元祖的映画であり、エドワード・G・ロビンソンの出世作。

田舎で強盗を働いていたイタリア系のならず者リコは、相棒のジョーとともに大都会へ出て「暗黒街の帝王」を目指す。都会のボスに、射撃の腕と度胸を見込まれて、着々と「ギャングの出世街道を上りつめていく男」となるリコであるが、警察も彼の逮捕に全力をそそぐ。ギャングと警察の駆け引き、バトルなど見所多数。

この映画、1930年の作品だが、イタリア系ギャングが「暗黒街の帝王」に上りつめていく姿は、『ゴッドファーザー』に似ているものの、本作の上映時間80分であり、あれほど丹念には描かれていない。
また、犯罪王リコ(エドワード・G・ロビンソン)は、田舎で一緒に組んでいたならず者(ダグラス・フェアバンクスJr.)に情けをかけてしまうのが、命取りになる甘さも見られる。

この映画で名演したエドワード・G・ロビンソンは、その後、『深夜の告白』などサスペンス映画に欠かせない存在となる。
そして、エドワード・G・ロビンソン本人は「もうギャングはやりたくない」と思っていた頃、ジョン・ヒューストン監督からキューバのギャングを演じて欲しいと懇願されて『キー・ラーゴ』に出演している。渋々引き受けたとは思えないギャングを、キューバ葉巻をくわえながら演じていた。

この映画、なかなか見どころたくさんの快作だった。
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