フライヤー

犯罪王リコのフライヤーのレビュー・感想・評価

犯罪王リコ(1930年製作の映画)
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リコは見た目がベビーフェイスというか、ギャング顔ではない。小柄だし、一見切れ者には見えない。ただ虚勢を張っているだけかと思っていたが、強い野心でギャングのボスとなる。

相方がこの世界から足を洗いたがっていたが、結局その相方は殺すことができなかった。その時のリコの涙を浮かべている顔が、相方への愛を感じさせた。リコは結局どのような生い立ちどどんな人なのか、はっきりとは書かれていない。急にギャングの世界に現れて急に去った。しかし、自分を臆病者だと書く新聞に怒って警察に電話する姿をみて、野心というか自己顕示欲のようなものが、リコをトップにまで上り詰めさせたのだろう。結局撃たれてしまったし、賢いのか賢くないのかわからないが、ギャング映画の中でも人間くさい主人公だった。