ヒロオさん

犯罪王リコのヒロオさんのレビュー・感想・評価

犯罪王リコ(1930年製作の映画)
3.0
映画のギャングの原型を築いた本作。映画史に興味ある方にはおすすめ。

田舎の強盗リコは相棒ジョーと共に、都会に出て、裏の世界のボスを目指す。マフィアの組織に入ったリコは、ボスに反抗的な態度を取る。しかし、ある事件で手柄を立てたことにより、ボスを廃し、その座を手に入れることに成功。その後も、彼は力づくのやり方で、のし上がっていく。一方で、相棒ジョーは裏の世界から足を洗おうとしており……

今の人からするとストーリーは当たり前すぎるし、映像もパッとしない。
ただ、音は当時の観客からすれば刺激的だったよう。サイレントで育った人々は、セリフの声だけでなく、効果音(銃の音や車の走る音など)に圧倒された。

リコがずば抜けて冷酷で賢かったりすれば面白かったが、身体も小さくて舐められるような見た目だし、ちょっと煽てられると喜ぶところが小物臭くて、微妙だった。

リコがのし上がっていく様子の描き方なども雑で、文字の説明で終わっていたのが残念だった。

余談だが、リコは当時からすると性的倒錯者で、相棒ジョーに対して恋心を抱いていたらしい。
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