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卒業のtsのネタバレレビュー・内容・結末

卒業(1967年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

初めて観た・・・けれど、カメラワークと曲、最後のドラマチックな終わり方は好きだが、脚本そのものは好きになれなかった。前半は、遊びや女を経験してこなかった、幼い青年の描写が丁寧になされていた一方で、後半、真の愛(ほんと?)が深まる様子は極めて足早で、ベンはとんでもないやつ、という考えが自分の頭から払拭されないまま、クライマックスに流れ込む、という状況だった。

ただ最後で、これがかの有名な連れ去りシーンか、と観終えようとしていたとき、バスに揺られる二人の表情を見て、一見ハッピーエンドに見えるが、いままで苦労もなく、社会経験もなく、まだ幼すぎるといってもよい二人の衝動的な行動が浮き彫りになったように感じた。そして、二人の間に芽生えたのは、果たして真の愛だったのだろうか。

一方で、親の理解を得られない恋愛や結婚を自らの意思で成就させる、という内容は、当時の時代背景を踏まえても、多くの若者たちの共感を得たんだろうなと思う。

なお、サイモン&ガーファンクル好きとしては音楽と合わせたシーンを観るだけで楽しい。Mrs. Robinson のイントロはアルバム版と劇中版とで全然違ったけど、自分はアルバムの方がいいかな。
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