さく

卒業のさくのレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
4.0
ラストの一連のシーケンスがあまりにも有名すぎる本作ですが、きちんと鑑賞するのは始めてでした。観る前の印象では、青臭くて「クサッ! ペッ!」となるような青春ものをイメージしていたのですが、そういうのではなかったです(そういう部分もあるけれど)。

「間違えて同じようなタイトルのパロディポルノを借りてしまったか?」と不安になるような出だしでびっくりしましたよ。当初、ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)の役をロバート・レッドフォードにやらせようとしていたらしく、そうなっていたら全く別の映画になっていたでしょうね。この童貞臭さはダスティン・ホフマンでないと出せなかったでしょうね。原作の方のキャラクターイメージはレッドフォードに近いものだったみたいですけれど。

ハッピーエンドとして安易にパクられることが多いラストシーンですが、笑顔ではなく「無茶苦茶やってしまったけれど、これからどうすんだこれ…」みたいな二人の表情で終わるのが印象的です。二人の若いカップルがどうしたこうした…みたいな話として捉えてしまうとそれまでですが、古い価値観と新しい価値観を生み出そうともがいている若い世代の軋轢、みたいなのがテーマですね。アメリカン・ニューシネマですから。
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