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卒業のGのレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
5.0
アメリカンニューシネマの先駆けとなった名作。S&Gの名曲も含めて私は大好きな作品です。

あまりにも有名な花嫁強奪のラストシーンに代表されるようにこれは若者の青春ラブストーリーではあるが、それ以上に虚無的な雰囲気がこの映画全体を覆っている。親などの周りの大人に従ってきたレールの上の人生で自分を見失った主人公、それを平凡な顔つきで低身長のダスティンホフマンが演じてるからこそ良い。

Mrs. Robinson は抑圧的な社会のメタファーであり、”Plastics”のような「まがいもの」ばかりの当時のハリウッドに風穴をあけたこの作品の功績は革命的だ。そして画面の奥へ走っていくバスのラストシーン、行き先のわからないアメリカンニューシネマそのものが投影されているようで感慨深いものがある。

主人公のベンジャミンが両親に結婚を打ちあけたとき、タイミングよくトーストが焼けるシーンは自分が一番好きな場面。これはパルプフィクションでもオマージュされていた!さらに今作のオープニングはジャッキーブラウンでもオマージュされていたので、タランティーノへの影響も大きいようだ。
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