ダイヤモンド

ブロークバック・マウンテンのダイヤモンドのレビュー・感想・評価

2.5
「ブロークバックが懐かしい」

互いに、私生活を営んでいたイニスとジャック。でも若い頃に経験した、ブロークバックマウンテンでのひと冬の経験が忘れられず。しかも当時は、生命の危機にすら晒される同性愛。年に数回、釣りと称して、あの山に籠って、離れ離れでいた渇きを癒す二人。ただ、やがてそんな気休めのような触れ合いでは我慢できなくなっていく…。

街では居場所のない彼らが、衆人環視のない大自然の中でお互いの孤独を認め合い、ありのままの姿を赤裸々に曝け出し、求め合う。その狂おしい交歓の行き着く先が分かっているだけに、とても切なく感じられる。

フロンティア時代、カウボーイの世界ではあり得た事柄であるがこれまで映画では、“触らぬ神に祟りなし”。描かれて来なかった世界。現代に置き換えているが、そんなカウボーイのタブー(あくまでも映画界において)をテーマにした映画でした。