ノッチ

ブロークバック・マウンテンのノッチのレビュー・感想・評価

3.0
1960年代のワイオミング州。

ブロークバック・マウンテンの牧場で、季節労働者として働く事になった二人の青年、イニスとジャック。

山の中で羊の放牧の管理を任されることになった彼ら、美しい大自然の中でかけがえのない友情を築くのだが、次第に深い恋愛感情へと発展していく。

アニー・プルーの原作をアン・リー監督が映画化した作品。 

第78回アカデミー賞で話題となるも、結局作品賞はとれなかった。

テーマはカウボーイ同士の「同性愛」。

同性愛者と、同性愛者の家族の苦悩を、大自然をバックに描いた作品。

最後まで淡々としているんだけど、なぜか引き込まれてしまう。

さすがに評判いいだけあって良かったです。

ただ、最初の方はいきなりで少し気持ち悪くなりました。 

前知識なく見たもんで・・・げー、オイオイオイ!? これはギャグなのか?!とか思った。

一応最後まで観ようと思って、休憩してから全部見ました。 

生きていくことの複雑さと、それぞれの立場、人生の肯定、考えさせられる映画でした。

取り上げているテーマがかなり強烈であるのだけど、型にはまって生きていくための葛藤だとか、好きなのに一緒に生きることができないもどかしさなんかは、誰にでも通じるんじゃないかな。 

一生懸命自分自身を否定しながら「普通の男」としての生活を送ろうとして、結局空回りになっているところがうまく切り出されていたと思う。 

今でこそだいぶオープンになって来たけれど、この60年代と言う時代に、同性愛者であるというだけで彼らがどれほど偏見の目で見られていたか、どれほどひどい差別を受けていたかと言う事を考えると、どんなに愛していても一緒にいられないというイニスの言い分はもっともで、だからこそ持って行き場のない気持ちに悶々と悩み続けるんですよね。
 
キャスティングは抜群。 

変に美形俳優を起用していたら、たちまちこの映画はリアリティを失うだろう。 

ヒースとジェイクは実に生々しく、訴えかけるような演技で、切ない同性愛を最大限に表現していた。

アーッ!! なシーンもあって俳優って大変。

結局、同性愛にしろ不倫にしろ禁断の関係って、確かな基盤がない分ひどく脆い関係だと思う。 

だからこそ純粋で切なくて当の本人同士は酔ってしまう性質があるのかな。 

しかし、あんなオリンピックなみの頻度しか会えなくても、ずっと好き続けれるものなのかな。 

それに、二人とも女性にも(しかもみんな魅力的)もてて、ある意味贅沢じゃない? 

特にジャックの奥さん役の人がめちゃくちゃ可愛い!と思ったらアン・ハサウェイなんだねー。

イニスの奥さんも可愛くて、あんな可愛い奥さんがいるのに数年ぶりに再会して、1秒も待てずに激キス(しかも男と)とは、奥さんじゃなくても「どうして?」である。 

この映画に出て来る女性達が不幸だよね…。

残念ながらゲイの気持ちが私は全然分からないので、可愛い奥さんがいながらわざわざホモる必要性があまりピンとこなかった。 

子供までいて男とヤりに行くなら、もはや同性愛者の問題云々ではなく立派な不倫であり、奥さん、そこは至って普通にぶちギレていいんだよと諭してやりたくなった。

というか、ゲイというよりも「バイ」って言った方がよくないか?

ちなみに、人間を除く500種類以上の動物で同性愛が確認されているらしい。 

そう考えると、文明の中に暮らす人間なら当たり前のことなのかもしれない。 

イニス役のヒース・レジャーは『バットマン』のジョーカー役で有名ですが、ご周知の通り既に他界してしまっており、つくづく惜しい才能を失いました。