このレビューはネタバレを含みます
ヒースレジャーとジェイクギレンホールが出演してるだけで自分としてはもう高評価なのだが、一番はやはりラストシーンだろう。
イニスがジャックのシャツに包まれていた自分のシャツを自分のシャツでジャックのシャツを包み、「ジャック、永遠に一緒だ。」と語りかけるラストシーンは、周りの目を気にし、変わることを恐れたイニスがようやく、内に秘めた思いを認め一人の人間を愛することができたと自分は解釈している。
このラストシーンを見ていると、ふと思い出すのが「君の名前で僕を呼んで」のエリオの父親の台詞。
「この心と体を手にできるのは一度だけだ。やがて心はすり減る。気づかないうちに。肉体については見向きもされない時が来る。ましては近づく者すらいない。いまお前は悲しく辛いだろう。だが押し殺すな。せっかくの喜びも死んでしまう。」
いかにもイニスに必要だった言葉。
この台詞を誰かがイニスに言っていれば…
感慨深い”苦い”ラブストーリーだった。
この数年後に亡くなるヒースレジャーの素晴らしい演技見ていると堪らなく悲しい。