キプロス問題の先鋭化によるトルコからのギリシア人退去を背景に描かれる物語
国外退去の対象となり幼い頃に両親と共にギリシャへと移り住むこととなった主人公。その幼少期、青年期、そして大人になった現在と3つのパートが交差しながら話が進む。
トルコに残った祖父との思い出、親族の集まりと「ポリティキ料理」(イスタンブールに暮らすギリシア系の人々の料理)、初恋の人。
故郷が故郷では無くなってしまう、愛する人々と離れることになる苦しさ。宗教、政治や歴史に翻弄された人々の話。
スパイスや料理が色とりどりで美しい。スパイスと宇宙と愛
"一般のギリシア人とは歴史的にも生物学的にも異なる"。ギリシアは彼らにとっての"よそ"
「去りゆくときは去る地ではなく行き先の話をするべき」そう言うのは簡単だけれどやっぱり難しい。別の地に移り住んだからって簡単に愛国心が生まれるわけでもないしアクセントを直したって本当の"故郷"への想いは変わらない
最後、英語でしか話せなくなってしまった二人が悲しい