うめ

天国の門のうめのレビュー・感想・評価

天国の門(1980年製作の映画)
4.0
公開当時、酷評の嵐を巻き起こしたと言われる作品。
表示されている149分は、その時のものですね。
今回、私は完全版?なのかな?
219分のロングバージョンでの鑑賞。


確かに、この長さなのに話は飛ぶし…役者とキャラがいまいちフィットしてない気もするし…盛り上がりに欠けるところもある。
でも、オープニングのハーバード大学の卒業式。
解放され行進する若者達。
代表でスピーチするビリー。
傲慢で、向こう見ずで…そんなところが眩しく映る。
若者だけに許される特権。
音楽に合わせ踊り暴れ爆発する若者の情熱。
あぁ、これ多分…オレ好きだな。
そんな気持ちが湧き上がる。

舞台は数十年後のワイオミング州へ。
移住してくる、たくさんの人々。
貧しいが為に家畜を盗まざるを得ない。
それが地元の畜産業者との軋轢を生む。
盗賊の撲滅と言いながら、計画される移民の虐殺。
こういった数々の衝突を経て、少しずつ自由の国になっていったアメリカ。
残念だけど、今また再び大きな炎となりつつある民族・宗教の問題。
待つのは悲劇だけなのに…
歴史から学ぶというのは難しいのだろうか…

その流れに抗おうとする者。
地元の名士となるもやさぐれているビリー。
親友で同窓のジムは保安官となっている。
彼とクリストファー・ウォーケン演じる若きガンマンのネイサンと娼婦のエマとの三角関係。
呑み込まれていく三人の運命。
エマ役のイサベル・ユペールの大胆な脱ぎっぷり。
彼女は昔から度胸のある女優さんだったんですね。
ウォーケンは何か…
顔立ちがキレイ過ぎて、ガンマンっぽくはなかったかな…
あと、ジェフ・ブリッジスが若い!


踊って、戦って、生き抜こうとすると移民。
彼等から感じるエネルギッシュさ。
走り回る馬。
本物だけが出せる迫力。
かけたお金は無駄ではなかったと思う。
そして、この映画もまた音楽がいいんです。
オープニングの行進。
騒ぎまくる大学生。
踊る移民。
そっと寄り添うジムとエマ。
やっぱり、音楽って大事です。

完成度は高くないし、長過ぎるかもしれない。
でも、逆にそんなところが不思議と愛おしさを感じさせる。
私には楽しい「贅沢」な時間でした(´∀`)
うめ

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