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いわさきちひろ 〜27歳の旅立ち〜のodamakinyanのレビュー・感想・評価

2.9
アマプラで視聴 共産党員の方らしい。実は30年以上前に上京した時に二度ほど世田谷区の同美術館には訪ねたことがある。その時は感動したが、この動画を見て考えを改めました。画家の実人生は創作物とは別物と言う人たちがいる。私にはそう考えられない。この方の最初の夫がどのような見合い相手だったのか、写真の一枚も残さないというのは残酷極まりない。自殺に追いやったのは彼女自身の仕業ではなかったかもしれないが、しかし痕跡をすべて消してしまったというその話で、私はこの画家への見方が180度変わってしまった。その後七歳年下の今の夫に恵まれ、夫の司法試験受験と自身の画業のため一年とはいえ生後一歳ほどの赤子を、長野の不和だった両親に預けてしまう。もちろんその前に一旗あげるために単身東京に上京しているのである。とても普通の女性ではない。というか、あの絵本のあの絵を描いた人だとは思えない所業だ。

あの時代にはこんな話は珍しくなかったのかもしれない。それぐらいしないと芽は出なかった時代なのだろう。しかし私の気持ちは変わってしまった。今後はどのような素晴らしい絵を見ても、そうしたこの画家の半生が頭の中をよぎってしまうだろう。包み隠さず編集されたこの動画編集に携わった山田洋次監督さんたちは、えらいと思います。言わなければこんなマイナスな話は公になることはなかった。戦火の中の子供たちの絵本は素晴らしいと思います。その反面、どうしてもこの画家が周囲の人たちにやさしくなかったことがあったこと。私にはそれが人間くさい、人間らしいことだとは到底言えない。なぜなら私は女性として、そのような所業はしてこなかったつもりだからです。
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