このレビューはネタバレを含みます
橋口監督の微熱を突き破る発熱
橋口亮輔脚本監督助演。ぴあスカラシップ作品
単館ヒットした本作。
見直してやはり、素晴らしい熱をおびた作品だ。
袴田吉彦は、両親を恐らく好きじゃない。
感情も冷たい大学生。
彼はホモバーで稼ぐ事に抵抗も好意もなくこなしている。
不思議な袴田君に惹かれる大学先輩の片岡礼子。
ホモバーの同僚高校生、遠藤雅。
その彼女の山田純世が袴田君に絡む四角関係の物語。
(山田さんの存在、「ハッシュ」のつぐみ、詮索する女性と似る)
橋口監督のフィルムぎわが好きだ。
地下鉄の線路内をカメラがグーンと進む2カットが「真夜中のカーボーイ」を想起させる!(マッチ、カメラを撮る仕草等)
彼らの煮え切らない孤独や人恋しさ
傷つけあいは微熱のようなもんで、袴田君のお客様は明らかな発熱を希求する。
ラスト橋口監督自身(このシーン超必見、コミニケイトが着火する素晴らしさ!)
が突き破る発熱は、
二人にとって実に苦々しいもしくわ、
清々しい大人の熱なのかもしれない。
袴田君のラストの顔が嬉しそうに成った。
橋口監督の素晴らしい熱に乾杯!
2009年3月22日 21時04分レビュー