若い頃…数年間ですが香港に住んでいました。
香港にクントン地区という工業地帯があって仕事の関係でそこに行くことがよくありました。
そこは無骨な工業ビルが建ち並び、道路は広く緑などは全然なく、いつも霧のように粉塵が漂っているような埃っぽい地区でした。ビルには窓などほとんどなく、外壁には漢字で会社名が描いてあったり、巨大なパイプがはっていたり…でかい入り口からはトラックがそのまま乗り入れ可能で…ビル内は巻き貝のような構造でトラックはそのまま上層階まで登ることが出来ました。
トラックばかりの道路に歩行者なんてほとんどいないのに舗道にゴザを広げた老婆がネギを並べて売ってたりしていて…
「うわぁ…ここを舞台に近未来SF…誰か撮ってくれないかな~」
…とおれは本気で思ってました😁💦
日本でもさびれた田舎町や夜の工業地帯を見て「SFっぽい」と感じる感性は「ブレード・ランナー」とか…この「マッド・マックス」で生まれたのではないかと思ってます。
オーストラリア映画です。
この頃のオーストラリア映画といえば(今も?)ハリウッドで作られたヒット作と間違って観てくれたらラッキー🎵みたいな低予算バッタもんインチキ映画のオンパレードでした。
そんな中から天才ジョージ・ミラーが現れたのです。
ここからはおれの憶測入ってます😁💦
もともとこの「マッドマックス」に近未来SFなどという明確な設定はなかったのではないでしょうか?低予算で作られる只の…架空の都市で繰り広げられる警察対暴走族の殺しあいカーアクション映画だったはずです。
本物の暴走族を使い、安全無視のカースタント。
当時のドキュメンタリー映画でこんなのがありました。
車が爆発!ボンネットだかドアだかが手裏剣のように回転しながらカメラのすぐ脇を背後に飛んでいくシーン…「こんなすごい撮影どうやったんだ?」スタッフが答える…あと1mずれてたらカメラマン死んでたね…運が良かったよ(笑)
こんな国である。
さて…出来上がった「マッドマックス」のラッシュを観てジョージ・ミラーは考えました。
「なんだこりゃ…低予算だからあんまり人が出てこないし、何やら核戦争後の世界みたいだな💦」
そこで…ここからが彼が天才たる所以です。
映画のオープニング…どんより曇った空に荒れ果てた道路…
そこに彼はあの一文をいれたのです。この一文が伝説になったのです。
A FEW YEARS FROM NOW …
(今から数年後)
日本の映画館でこれを観たおれたちはしびれましたね😁💦
か…かっこえぇ~💦
最初…オーストラリアのB級映画なんて誰も見向きもしなかった。それはおれたちボンクラ映画ファンの口コミから始まったんです…
「マッドマックス…観た?すげぇぜ…もう最高なんだから…」
ウワサはウワサを呼び…最初はまったく無視していたマスコミも映画ファンのお祭り騒ぎを取り上げ始めた。
こうして日本での大ヒットが「マッドマックス」の世界的ヒットの口火となったのでした。近未来SFという流行を生むことになりその世界観を完成させる「マッドマックス2」に繋がっていくわけです。
あの最初の一文と日本の映画ファンの熱狂がなければ「マッドマックス怒りのデスロード」は生まれなかったというわけです。
まだビデオレンタルが普及する直前じゃなかったかな?二番館に皆で観に行ってコンサートみたいに大騒ぎして観た思い出があります😁💦
香港のクントン地区を舞台にしたSF映画はまだ出来てないと思います。中国の工業地帯がいかにSF的か当の中国人が気づいてないんだからもったいない話だと思います😁💦