イチロヲ

マッドマックスのイチロヲのレビュー・感想・評価

マッドマックス(1979年製作の映画)
4.0
凶悪な暴走族により妻子を殺害された警官(メル・ギブソン)が、チューンナップさせた特殊追跡車に乗り込み、復讐をかけた孤独な戦いに挑む。70年代から乱造された、オーストラリア産「やりすぎ映画」の金字塔的作品。

オーストラリアの広大な原野を最大限に活用した、迫力のカーアクションが盛りだくさんになっている作品。大破する車両、吹き飛ぶ人間が、ありのままに収められており、「今、俺はすごい映像を見ている!」という感覚が、すべてを支配する。

今となっては合成映像で何とでもなるが、本作ではあらゆる描写をリアルにやっている。ロケットエンジンで爆走する車も、本当に改造して、本当に走らせている。無許可のままで撮影を強行して、撮影中に起きた事故ですら、演出のひとつに取り入れている。

無法者を裁くストーリーなのに、「映画の製作陣が一番の無法者」という倒錯状態がまた面白い。悪者たちの生態が活き活きと描かれている理由を、何となく推量することができる。メイキングを含めて楽しむべき、突然変異型の名作。
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