みつば

エド・ウッドのみつばのレビュー・感想・評価

エド・ウッド(1994年製作の映画)
3.5
実在の監督で「史上最低の監督」と言われたエド・ウッドの伝記作品。

最低な監督の物語を見ながら、ジョニー・デップもティム・バートンもこのくらいの時が一番よかったと思った作品。
特に面白いわけでもないけど、よく分からない不思議な魅力があった作品でもあります。
エド・ウッド監督作品は一度も見たことがありませんが、その評判(悪評?)は目にしていたのでずっと気になっていました。
タイトルクレジットからショボさが漂う雰囲気で、エド・ウッドがどういう作品を作った監督だったのか、なんとなく想像できます。作中の曲も、常にどこかショボさが残っていて、なんだかニヤリとしてしまう。
中盤やや退屈ですが、彼の作品を知る人は、かなり楽しめるのかもしれない。

わりと忠実っぽいので、このとおりなのでしょうが、こんなに子供みたいな人だとは思いませんでした。
妄想大爆発で、センスのないアイディアはたくさんあって、何でも詰め込み放題な人。
技術も無いので、セットも子供が描く絵みたいにめちゃくちゃで、釣り竿UFOとか本気でやってたとは信じられない(笑)学ぶ気もなさそうだけど。
さらにはセリフも意味が全く分からない。しかもそれを本人は最高の作品だと思っているんですよね。
でもチャンスは逃さず自分を売り込み、出て欲しい俳優には食い下がって説得し、撮りながら俳優と一緒にセリフを言っちゃうところなんかは、本当に映画を作るのが楽しくてたまらないという感じで、憎めない。
スタッフたちも彼を支えていたのは、やはり何か魅力があったのでしょうね。
また、ベラ・ルゴシに対する尊敬の眼差しや、それが友情に変わり一生懸命彼を支えようとする姿勢も、エドが優しい人間だったことが伺えました。
ベラ役マーティン・ランドーがそっくりだし、お金もなく薬で苦しむ様は見ていて辛い。最期のフィルムなんか切な過ぎます。
それとオーソン・ウェルズがそっくりすぎてびっくりでしたが、あれMIBのゴキブリ男の人なんですね!

ここまで自分の思いを突き通すだけの監督は他にいないでしょう。やはりビジネスですからこんなことできませんよね。
作品は酷いかもしれませんが、今になって一部の人が熱烈に支持しているとなると、彼のやり方も間違っていなかった…のか?
分かりませんが、とりあえず、覚悟してプラン9に挑戦してみようと思います。
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