又野克明

エド・ウッドの又野克明のレビュー・感想・評価

エド・ウッド(1994年製作の映画)
4.9
正直に言おう。それでいいじゃないか。

今から二十年前、私は高校生で文化祭が行われた。私の高校は男子校で文化祭でしか女性と知り合う機会がないので、私たちは女性とじかに喋れる「カウンセリング」を出し物として行っていた。私たち男五人くらい、そして知り合った女性五人ぐらいで、グループができた。

私たちのグループのリーダーは私だった。私はその男女十人ぐらいのチーム名を「プラン9」と定めた。史上最低の映画と称されたその映画から、努力して這い上がるチームなんだということで、私が命名した。

プラン9のメンバーは文化祭の後、数か月は仲良く続いていたものの、高校を卒業したら、途端に全員が離れ離れになり、事実上プラン9は解散ということになった。

高校を卒業して、私はやりたいことも、できる仕事もほとんどなかったので、毎日、文学(小説やエッセー)を書き続けるニート生活へとのめり込んでいった。本当に今回の話はなにもかも個人的な話で悪いが、私は自身の文学を「プラン9文学」と名付けた。これまた史上最低の精神でがんばっていこうということからだった。

しかし、結局私の書いた批評文のような簡単な哲学のようなエッセーはどの「賞」にも応募することはなかった。私とエド・ウッドには私的にはそういう縁があったものですから、彼に特別好感はいつも抱いておりました。彼の『エド・ウッド』でのがんばる姿はいつも同性ながら「かわいらしいな」と思っております。ちなみに、彼の作品はとにかくダメなものでしたが、もしかして彼は彼の実人生を、誰かに映画にしてもらう、そういう才能、そういう生き方は立派な映画監督と同じくらい体得できていたんじゃないかなと思うときがあります。なぜなら、ティム・バートンの『エド・ウッド』は私にはそういうふうに解釈できる部分があるんじゃないかと信じて疑わないからです。ありがとうございました。
又野克明

又野克明