ノラネコの呑んで観るシネマ

2010年のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

2010年(1984年製作の映画)
4.1
Amazonプライム。
ヘレン・ミレンが若くて綺麗。
これピーター・ハイアムズがプロデューサー・脚色・監督兼務の全権体制なのね。
34年ぶりに観たけど、面白いじゃないか。
あの当時、既に評価が定まっていたキューブリックの傑作の続編を、ここまでブレずに自分の作家映画に仕上げたのは大したものだと思う。
公開当時一回しか観てないのだけど、回転するディスカバリー号とか木星の黒点とかのイメージは結構はっきり覚えていた。
前作の“星を継ぐもの”の争いがあるからこそ、チャンドラー博士とHALの間で築かれる信頼は感動的。
21世紀になってようやく見えてくる、人間とAIの関係をかなり先取りしている。
やはり「2001年」との対比で過小評価されている作品なのを確認できた。
確かにエンタメとハードSFの間で中途半端な作品なのは確かだし、キューブリックなら絶対にやらない演出も多いのだが、これはこれで冷戦時代ならではの面白い作品に仕上がっている。
そして、この映画が同時期に作られた我らが「さよならジュピター」とやたらに共通要素が多いことも思い出した。
ぶっちゃけあれは色々と問題も多い映画だが、やっぱ日本SF映画史上、無視できない作品であることも確かなんだよね。
今度久々に観るとするかな。