ふっくー

サスペリア・テルザ 最後の魔女のふっくーのレビュー・感想・評価

3.0
「サスペリア」「インフェルノ」に次ぐ魔女3部作の完結編。
ダリオ・アルジェントの壮大な魔女物語の締めくくりのはずが、3作の中で1番チープな作品になってしまってましたね。
なにが起きたんだダリオ・アルジェント。。

前2作品は音楽、色彩表現を意識した芸術映画として独特の世界観を作り上げていたのに、今作はシリーズの売りであるといっても過言ではない色彩で恐怖を与える演出が全然なくなってしまっている。
カメラワークとか演出とかめちゃくちゃ頑張った感は伝わるんだけど、B級を通り越してC級感が凄い。なんかダサい笑。

自分の実娘のアーシア・アルジェントを主演にしてるのに、これでもかとヌードシーン多いし、登場してくる魔女達がとにかくポロリしまくり!
ダリオの妻ニコロディもぽわぁんと助言する役で出てくるのに、その演出がチープでなんか笑えてしまう。

ただ魔女3部作というだけあって過去作の繋がりや、今まで語られなかった魔女の三母神の話などがそれなりに語られるのでそこは評価したい。
最後の生き残り涙の母との死闘を繰り広げるために、錬金術とか超能力の話はしてくれるのに、なんであんな呆気ないラストにしてしまったのダリオ!!!!!!

色々と酷い出来だったんですけど、冒頭でのワンシーンで腹切り裂いて、出てきた内臓や腸で首を締め殺したり、日本語喋る謎の女を電車のスライド式のトイレのドアで2、3回挟んで顔を潰したり、レズビアンな女性の両目に鋭い物を突き刺したかと思えば、もう1人には股から口にかけて槍を突き刺し串刺しにするなど、女性を痛ぶるスプラッターシーンは3部作の中でも最高にグロい。
エクソシストのおじいちゃんに馬乗りになって顔面目掛けて出刃包丁で何度も滅多刺しにしてグチャるシーンも壮絶。

ローマの街中で暴力が起き、ベビーカーを押してた母親がいきなり赤子を橋の上から投げ飛ばしたり、魔女達の痛みという快楽はなかなかのショッキングシーン。

シリーズ通して1番酷い作品となってしまいましたが、スプラッターシーンは群を抜いて今作がぶっ飛んでいるので、その点では見応えがあるのかな笑。
ただラストシーン一緒に這い上がってきた刑事とアホみたいに笑って終わる投げやり感は3部作完結編のラストとしては呆気なさすぎて悲しすぎた。


「サスペリアテルザ」が最近ようやくHDリマスター・パーフェクトコレクションとしてリリースされましたね。今作の初回限定版には何と「サスペリア」「インフェルノ」のHDリマスター・パーフェクトコレクションが収納出来るアウターケースが付属しているのですが、このデザインが劇中にも出てきた「THE THREE MOTHERS」の古本と同じようなデザインで最高でした。過去作を持っている身としてはこういう特典は感謝しかないです。
余談でした笑。
ふっくー

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