アァーーーーーー

隣の女のアァーーーーーーのレビュー・感想・評価

隣の女(1981年製作の映画)
4.5
自分は恋愛モノの映画は好きじゃないし、進んで見ようとも思わないから、この作品も手が出しづらいままほっておいた作品。
他にもそういう映画は沢山あるが、この映画を見てちと考え方が変わった気がするぐらい佳作だった。

非常に丁寧なセリフやカットと間と編集。
この作業が作品全体に貫かれてるからこそ、この映画を特別なモノにしていると感じる。

最初フィルムの質感やレールを使った撮影などはテオアンゲロプロスを感じ、大袈裟だけど控えめな効果音は80年代のハリウッド映画を彷彿させたり。
解説ではヒッチコックの名前も。。
そういう意味でトリュフォーの作品には統一性がないというか、常にミクスチャーな感覚で映画を撮る人だなぁ、と。
でもやっぱり構成力の凄さは見事。
ヌーベルヴァーグの監督の中でも異色ながらアバンギャルドな手法には走らないけど細かい部分で挑戦している感覚や「観客に分かりやすく伝える」というのを念頭に置いたようなシッカリとした造りはこの作品でヒジョーーに美しく仕上がってると思います。
特に最初に語り部として出演するオバちゃんが作中もイイ味を醸し出しており、そこを絡める感じが構成力の高さなんだろうなぁ、と思ったり。
後は絶妙過ぎる演技。
ワザとらしいし「そんな行動したら浮気バレバレでしょ!」と思わせる演技も演劇の様でもあり、一歩間違えればトコトンダサくなる様な演技をカットと編集で絶妙な旨味を引き出してるというか、、なんだそれ。
あと、よくある様なセックスシーンが無いのもグッド。

映画の内容は、同じく「素晴らしいとは毎回思うけど、モテナイ自分を演出して良い女と接したいが為だけに映画を作ってるとしか思えない」ウディアレンぽい、というかマンマな内容。
若干怖いというかサスペンスというか、最後のオチは「そうか、そうなるかー」っていう感じも普通の恋愛話では無いのもいい感じ。

そういう意味ではやっぱり恋愛モノは最大限に評価出来ないのがタマニキズ。
だって人の恋愛とか付き合った別れたとか、浮気だセックスだ、と、それだけを見させられるのって、他人の恋愛話を永遠聞かされてるのと似てないスカ?
俺は他人の恋愛話なんか聞きたくないッス。
アァーーーーーー

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