10月21日はフランス映画界にヌーヴェルヴァーグという"新しい波"をもたらした偉大なる映画監督フランソワ・トリュフォーの命日。
今日で没後33年目を迎えます。
彼の作品に出演した女優は尽く彼と恋仲になっちゃうくらい、生涯に渡って映画と女性を熱烈に愛したトリュフォー。
そんな彼の最後のパートナーとなったのが本作のヒロインに抜擢され、トリュフォーの遺作となった次回作「日曜日が待ち遠しい!」でも主演を果たしたファニー・アルダンであり、その後2人の間には娘も誕生しています。
フランスの郊外を舞台に、一軒家のお隣りに偶然にも元カノ夫婦が引っ越してきたことで再燃してしまう禁断の愛。
トリュフォーが敬愛したヒッチコックばりのサスペンス仕立てで以て、語りべのおばちゃんと共に男女の愛憎を克明に描き上げます。
理性と本能の間で苦悶し、拒絶と渇望を密に繰り返す二人の末路とは。
トリュフォーの前作「終電車」に引き続きジェラール・ドパルデューが主演を務め、役名も前作と同じベルナールなのが適当で笑えます。
そしてベルナールと不倫関係に陥ってしまう元恋人役マチルドをトリュフォーの新恋人アルダンが演じるわけですが、
後に「彼女が吐いてるセリフは全部私がアンタとの実生活で言った言葉じゃない!」と、トリュフォーの元カノであるカトリーヌ・ドヌーヴが激怒したというエピソードも笑えます。
アルダンとの間に娘も授かった矢先、52歳という若さでこの世を去ったトリュフォー。
しかし彼の最期を看取ったのはアルダンではなく彼の最初の妻であるマドレーヌ夫人というのも、いかにもトリュフォーらしくて笑えます。
そんな最期まで愛に生きた映画人トリュフォーの自伝映画を是非ともエスプリの総力を結集して制作していただきたいものです。(絶対面白い)