<概説>
実際の戦犯の手記を基にして小林正樹×安部公房のコンビが仕掛ける戦争映画。戦犯解放の気運が高まる時代の中で、当の戦争関係者達は様々な理由から内部衝突を繰り返していく。
<感想>
あれこれ批判はさておいてこれは貴重な映画です。
なにせ21世紀の戦犯のイメージといえば東條英機や広田弘毅といった、いわゆるA級戦犯の誇張表現されたもの。
B級C級ともなれば彼等の腰巾着のような認識もあるわけで、ここで描かれていた戦犯間の対立だなんて私自身予想だにしていませんでした。
「戦争は悪だ!」
「戦犯は悪鬼だ!」
戦争当事者が靖国に向かわれつつある今、多少仕方ないところはありますけれど、そういった大雑把な戦争イメージからかけ離れた映画はやはり一見の価値があるように思います。
小林監督のWW2関連映画、私好きなのかもしれません。