緑雨

夢売るふたりの緑雨のレビュー・感想・評価

夢売るふたり(2012年製作の映画)
3.8
主人公夫婦それぞれが何を信じ何を求めているのか、整理されておらず軸がぶれている印象。映画のタッチもコメディ路線と捻じくれたシリアスな夫婦心理劇の間を揺れ動いて安定しない。その分裂症気味な多軸構造が映画に独特な妙味を生んでもいる。これを意識的にやってるのなら凄いが。

木村多江はいつもの木村多江だし、田中麗奈も、安藤玉恵も、いつもの彼女たちだ。重量挙げ女子を抜群のリアリティで演じた江原由夏と、キャリアウーマンの哀しさが意外にハマった鈴木砂羽(メイクであんなに印象変わるのね)が収穫。

序盤の厨房火災シーンが臨場感あり、引き込まれる。松たか子の熱湯風呂攻め、生理用パットの装着、自慰などで女の情念を表現する手法に、女流監督ならではのオリジナリティを感じる。
緑雨

緑雨