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二十四の瞳の大大のレビュー・感想・評価

二十四の瞳(1954年製作の映画)
4.0
昭和3年、小豆島の小学校に赴任してきた主人公の新人女教師は、洋服に身を纏い自転車で向かう姿が島民の目を引いて、意地悪をされる。

生徒の心を掴むが、生徒の悪戯により大怪我をし、学校を離れることになる。

時が流れ、小学5年生になった生徒たちと再会するが、戦争の影響で、各生徒の家庭で不幸の影を落とすようになる。(経済悪化による貧困)

戦争ムードへと突入するなか、教え子たちは兵隊になることを志願する。
主人公は、命の大切さを説くことが国に反することと捉えられることに教師の限界を感じ、教師を退く。

昭和18年、
戦争で主人公も教え子も失った主人公が、
ふたたび小豆島の小学校で教師になるお話。




▼キャスティングの本気度がすごい。

▽小1時代、小5時代、大人時代の同一人物が、顔を見ただけで同じ人物であることが一発でわかる。

▽似ている顔を持つ兄弟をオーディションで選んだという労力のかけ方がすごい

▽それでいて、しっかり各キャラクターが観客の印象に残りやすいように、子供たちの顔をアップで常に写しながら、キャラクターごとの言葉や動作を繰り返し見せている。


▼反戦というテーマがあるのはもちろんだけれど、「国の役に立つ人間を育成することが学校の義務だ」という日本の教育自体に疑問を投げかけるというのが根幹にある

▽この教育方針は、現代にも共通しているところがある

▽戦争を否定する以前に、日本の教育システム、やばくない?という結構過激なことも盛り込まれてる

▽反戦色が強いだけに、学校で教材として見せられそうではあるんだけど、学校のヤバさみたいなのが入っている作品をほんとに扱うだろうか?

▽反戦のザ・教材という、堅苦しいカラーに偏りかけた作品に、学校システムの否定というパンク要素を盛り込むことで、うまくバランスを取ろうとしたのではないか
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