マンメンミ

二十四の瞳のマンメンミのレビュー・感想・評価

二十四の瞳(1954年製作の映画)
3.7
60年以上前に製作され、戦前から戦時中を舞台にして女教師の目線で生徒たちを描いた反戦的な厳しくも温かい作品。
教師の芯の通った温かい包容力、生徒たちの純真な心。
戦時中特有の事情や当時の家庭による様々な事情に振り回される子どもに胸が痛みました。
戦争の傷跡が残っている時に製作された作品だからか戦時中当時の空気感を生々しく感じられます。
現在も現在で事情はありますが、救済手段が乏しく社会全体が否応無しにそうならざるを得ない状況は可哀想、悲しいでは表せない感情となりました。
特に妹を出産後に亡くなった母親の変わりに働きに出るたも小学校を辞めた女生徒のエピソードが印象的でした。
たまたま元いた学校が訪れた修学旅行先で働いていて、みんなが帰る船をさめざめ泣きながら一人追いかける描写は忘れられません。
他にも生徒ごとにいくつかエピソード何描かれており、どの生徒の表情も印象的でした。
古いモノクロ映画で棒演技、しかも長いから最後まで観られるか心配でしたがそんな事を吹き飛ばす魅力溢れる作品でした。
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