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浮き雲のkiritoのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
3.9
【光】

ここまでどん底に落ちるか?というくらい不運に不運が重なり、失業していく2人の夫婦の物語。

冒頭から新型テレビを買ってきて妻に見せる夫。
妻はまだローンも残ってるのに…と心配そう。
これに対して夫は働いてれば返せるだろう!と気軽な様子。

しかし、その直後、夫も妻も職を失ってしまう。
再雇用を望むものの、誤解やすれ違いからなかなかうまくいかない。

生活に必要なもの以外を手放していかなくなる中でも2人に愛がちゃんと残ってるのが良かった。
普通、こういう状況なら、どっちかの責任だと相手を罵倒し、酒浸りになったりするものだが、今作はなんとか2人でやっていこうとする姿勢に好感が持てた。

2人は最後に光を見出すわけだが、やはり真面目な人が最後は救われるんだなぁ。と。

マッティ・ペロンパーに捧ぐ。
カウリスマキ作品見た瞬間から好きになったこの俳優が短命だったことに悲しくなった。
そうか、もうこの時には…(つД`)ノ

2017.8.4
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