ペイン

浮き雲のペインのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
4.7
これぞ“ライフ・イズ・ビューティフル”

素晴らしすぎました。

流石は“ハリウッドは幼稚園”と言い切ってしまうカウリスマキ。ハリウッド映画にはない心の機微の描き方、素朴さ、真心がこの作品にはあります。

こんなにとんとん拍子で不幸って続くものなのか?という感じではあるが、それでも登場人物たちは表情ひとつ変えない。よく日本映画にありがちな“ウーッ”とか“ワーッ”とか泣きわめいたり感情を吐き出す演出は一切ない。

カウリスマキはこう言っています。「映画とは、一日一生懸命働いた人が その日の終わりにリラックスし、楽しむために観るエンターテインメントだ」と……。 重ねて、「映画によってその日をリフレッシュできて、翌日良い人間関係が築けるのであれば、その映画は成功じゃないかと思う」と。

そう、まさに映画を観た後にその日の疲れがとれ、ちょっと心が軽くなるような映画。

5点満点でも良かったですが、これからいろいろカウリスマキの作品を観ていく予定なのでそれらの作品に期待を込めて。
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