ガブXスカイウォーカー

バトルフィールド・アースのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

バトルフィールド・アース(2000年製作の映画)
4.0
2001年:第21回ゴールデンラズベリー賞
最低作品賞:バトルフィールド・アース
最低監督賞:ロジャー・クリスチャン
最低主演男優賞:ジョン・トラボルタ(『ラッキー・ナンバー』に対しても)
最低助演男優賞:バリー・ペッパー
最低助演女優賞:ケリー・プレストン
最低スクリーンカップル賞:ジョン・トラボルタ&バトルフィールド・アースで彼と一緒にスクリーンに映ってしまった人全部
最低脚本賞:コリー・マンデル、J・D・シャピロ

2005年:第25回ゴールデンラズベリー賞
25周年最低ドラマ賞:バトルフィールド・アース

2010年:第30回ゴールデンラズベリー賞
2000年代最低賞:バトルフィールド・アース

見よ、この不名誉な賞の受賞歴を。『バトルフィールド・アース』は劇場公開当時から数十年たった現在でも叩かれ続ける、メジャー級、いや伝説の駄作だ。
ところがあらためて鑑賞すると、製作費$73,000,000もかけているだけあって、特撮、美術、メイク、衣装など凝っていてかなり見応えがある。
脚本も、地球を侵略した異星人サイクロ人側のドラマが良くも悪くもおかしい。サイクロ人の司令隊長タール(ジョン・トラボルタ)はアカデミーをトップで卒業したが元老議員の娘に手を出したため、辺境の星、地球に配置され、上司にゴマをすったり、ヤケ酒を飲んだりする。さらに部下の行動を隠しカメラで監視して粗探ししたり、地球人たちを見下したりと中間管理職の悲哀と滑稽さを体現する。普通のSF映画ではまず観られないせせこましい異星人だ。
一方、地球人たちは奴隷として最低の生活を強いられていたが、サイクロ人に強制学習されたことにより、成長し団結を学んでいく。地球の青年ジョニー(バリー・ペッパー)は一度はタールを殺すチャンスに恵まれるが、さらに力を蓄えるためじっと耐えるなどサイクロ人とは真逆の姿を見せてくれる。そしてクライマックスは地球人の反逆のバトルだ! 熱いぜ!
大作SF映画は観客たちの期待値が高いため、よほど出来が良くないと、叩かれズッコケるが、こうして数十年後にレンタルやTV放映で観ると、長所を発見できて楽しめることも多い(短所にツッコミを入れるのもありだ)。本作はSFファンにはぜひ偏見を捨てて再評価してほしい、ちょっと変わった傑作SF映画なのだ(褒め過ぎ・笑)。

吹替え版は、ジョン・トラボルタの声をベテラン声優、山路和弘がユーモラスにあてていて笑える。