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ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のRのレビュー・感想・評価

4.2
行きずりで男と寝たら、やたらと自分の好きな(けど思いの叶わぬ)男と似てて、その好きな方とエッチしてるような気分になって悲しくなってくるという、まぁ、あるあるですね笑 しかし、主人公がフランス女で、広島に来た目的が平和をテーマにした映画の撮影、行きずりの不倫相手は広島男、で、戦時中にドイツ兵と悲恋し、出身の田舎町の誰かにドイツ兵を殺されてしまった、という、こじらせ要素しかない設定で、アイタタタタ…どころじゃ済まない感じになってくる。冒頭、原爆被害の生々しい映像が次々に出てくるから、戦争悲劇をバンバンおしてくるのかと思いきや、ナレーションが詩的かつミステリアス、夜の広島の街はシュールなくらい幻想的。現在の不倫シーンの現実感のなさとは対照的に、過去の悲恋はとても生々しい。殺されたドイツ男が広島男と似ているがために過去の記憶が一気によみがえり、広島人とドイツ人の区別が曖昧になり、一体となり、悲しみを新たにして苦悩し、そして、そこに区切りをつけ、目の前の男を、昔愛した男とは別の男として、新たに認識し直すまでを描いているっぽい。恋と戦争の記憶と忘却を軸として前衛的な演出で展開するストーリーは、しっかり考えながら見てないと筋を見失ってしまいそうになる。てか一回見ただけじゃ何が言いたいのか分かりにくい。やから情というよりは知に働きかけてくる映画で、これは相当好き嫌いわかれるやろーなと。テンポもすこぶるスローやし。でも好きな人はたぶんこの独特すぎる語り口を愛するんやろな。個人的には、かなり好きではあるけど、ちょっと途中眠くてグラグラなるかなーという気がしなくもない笑 てか、この女エマニュエルリバやってんな、久々に見て驚いた、愛アムールの人やん! 若! ちなみに今回見るの5回目でした。
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