ぬーたん

グレートレースのぬーたんのレビュー・感想・評価

グレートレース(1965年製作の映画)
5.0
十数年振りに観たけど、本当に面白い!
最強最高のコメディー。
子供の頃に観た時と同じ様に、また沢山笑いました。
とにかくジャック・レモンが最高過ぎて!
今で言えば、ジム・キャリーかな。

主役のグレート・レスリーは人気者で実力もあり、その上イケメン。
上から下まで真っ白な服に白の車。
一方、レスリーに敵意を持ち、ありとあらゆる汚い手を使い蹴落とそうとするフェイト教授は、全身黒。車も黒。
フェイトの助手のマックスはドジでミスばかりしている。
この2人が参加するレースに女性記者マギーが現れる。
彼女は全身ピンク。
とにかく色分けからして皆、分かり易い立ち位置です。
単純明快でマンガチック。

レスリーを演じたのはトニー・カーティス。
逞しい体でフェンシングも披露。
スタイル良くイケメンでスター性がある。
晩年はかつてのイケメンが信じられないほどのルックスで登場し、流石に驚いた。
5回も結婚して色々苦労もあったのかしらん?
フェイク教授をジャック・レモン。
大好きな俳優!
『お熱いのがお好き』でも共演したカーティスとの息もバッチリ。
ちょっと女性的な仕草が今作でも観れる。
それが、王様との2役で。
レースそのものより、この事件に巻き込まれて、トンデモナイことになるのが面白い。
シリアスな役もこなす素晴らしい俳優だった。
マギーはナタリー・ウッド。
『ウエストサイド物語』のマリアです。
美しい!スタイル良く、大胆なコルセット姿であの有名なパイ投げまでしちゃう。
可愛くて色気もあって、最高の女優さん。
あの若さで亡くなったのが残念。
果たして死の真相は?気になるところ。
マックス役は『刑事コロンボ』のピーター・フォーク。
とぼけていていい味出してる。
コロンボの前の作品だけど、もはやコロンボにしか見えない。
このフェイクとマックスのデコボココンビのやり取りがとにかく可笑しくて可笑しくて、脚本も2人のとぼけた演技も上手いなあと感心する。
ただ、今の若い人はどう思うかなあ?
ドリフ時代の年代なら面白いこと間違いないんだけど。
若者には無理かも?なんせ古過ぎだもんねぇ。

爆発したり、地上や海に落ちて、いくつ命があっても足りない程なんだけど、めげずにまた次の悪だくみをしている、おかしなコンビ。
愛すべき2人です。
イケメンと美女の恋愛も良かった。
全編にずっと流れるヘンリー・マンシーニの主題歌が素晴らしく、ラスト近くでは、ナタリーが歌い、歌詞もテロップされ、こんな歌詞なんだと、感動したり。この曲が数十年、ずっと忘れられない曲になっている。
ラストのラストまで、どっぷりとコメディーで、気持ち良い作品。
この作品で出ていた俳優さんたちは皆亡くなっている。
そんなことを考えて、コメディーなのに、ラストは何だか泣けて来る、昭和のオバサンでした。

この頃は長い作品だと、途中で休憩が入った。
この作品も雪のシーン辺り、ちょっと飽きて来たなあと思った頃に休憩が入る。そこでトイレ行ったりお茶飲んだりして、また後半を楽しめるの。
良い時代でした。
今は、長い作品には行かない。休憩ないもんね。

キンキンこと愛川欽也と、広川太一郎の吹替版が字幕より更に面白かった記憶があるので、是非また観てみたいなあ。
ぬーたん

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