初クロード・シャブロル監督作品。
そしていつかは観たかったヌーヴェルヴァーグの先駆け的作品にやっと出逢えて幸せ。理屈抜きに好きな作品だった。
受験の為に都会に出てきたシャルルは、いとこのポールのアパートで同居することになる。真面目なシャルルと遊び人ポールと言う正反対のいとこ同士が恋愛をめぐり、受験をめぐり、傷つき衝撃のラストへ、、、
終盤までは比較的淡々と進行するも、随所で息を飲むような恐ろしくも美しい画面に意識を持ってかれる。グイングインと大胆なカメラワーク、更にはモーツァルト、ワーグナーと音楽使いのセンスも素晴らしい。
もっとも、青年期の傷つきやすい心理をいとこ同士と言う微妙な関係性が更に複雑化させ、より一層悲劇感を煽る感じがシャルル目線ではより痛々しい。
きっとああなって、こうなって、と全てが予想通りの展開でもあるんだけど、やっぱり見せ方が上手いなあって思ってしまう。
それにしても、呆気なくもスタイリッシュにバッサリと締めたラストカット、からのFin。
…なんと言う不条理!なんと言う後味の悪さ!