安堵霊タラコフスキー

いとこ同志の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

いとこ同志(1959年製作の映画)
2.4
久々に見たけど最初見たときより面白く感じなかったのは映像のせいか

昔は映像の良さとかあまり気にしてなかったからジェラール・ブランの転落ぶりに注目し、今でもそのバッドエンドもヌーヴェルヴァーグらしくて良いとは思うのだけど、撮影が同じメルヴィル作品と比べたら映像やカット割りの張りの無さが目立ち、この張りの無さがもしリアリティを追求したものだとしても映像を犠牲にするリアリティなら無い方がいいし、折角のアンリ・ドカエの映像を無駄使いしているように思え不満を覚えてしまった

河辺でテキストや学生証を捨てるシーンも悪い意味であっさりしていたし、ラストの事故もメルヴィルやベッケルならもっと鮮烈に描写できていたろうにと思うと実に勿体ない

シャブロルの作品は一部を除いてピンと来るものが無く、ヌーヴェルヴァーグの監督として好き度が個人的にかなり低い人物だったけど、この代表作の印象すら見返したときに悪くなってしまったのは少しショックだった