大学進学のため、パリに出て来たシャルル(ジャン=クロード・ブリアリ)は、いとこのポール(ジェラール・ブラン)のアパートに転がりこむ。
血縁はあるけど、性格や生き方は正反対のふたり。
シャルルは試験突破のため、朝から晩まで机に向かう。カフェで出会ったフロランス(ジュリエット・メニエル)への恋心も一途。
一方のポールは典型的な巴里っ子。
夜な夜なパーティざんまい、女もとっかえひっかえ。
ポールはフロランスを寝取り、アパートに引っ張りこんで同棲を始めちゃう。
哀れシャルルはますます勉学に打ちこもうとするのだが、隣の部屋ではポール主催のパーティーが騒がしい。
そしてなんと、試験をパスしたのはキリギリスのポールの方。
これだけひどい事をするポールだけど、なぜか憎めない描き方をしているのが面白い。
すごく存在がリアル。いるよな~、こういう要領が良くて、悪意が無くて無礼なことしちゃうヤツ…って思わせられる。
明暗クッキリのいとこ同志…でも、どっちが良いとか悪いとか短絡的に決めつけない、懐の深い、大らかな描き方。
だからこそ、ほとんど室内だけが舞台の映画なのに、風通しがいい。大きさや深みを感じる。清濁併せ呑んだ、大都市パリの縮図みたいだった。