YuukiImazu

オープニング・ナイトのYuukiImazuのレビュー・感想・評価

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)
4.3
『老い』という普遍的なテーマを扱ったバックステージもの。それなりに歳を重ねた大女優マートル・ゴードンは老いに抗い、若さに執着する。

幻影を見るまでに精神を擦り減らし、ヒステリックになる女優にジーナ・ロランズ。芝居であることを忘れさせるほどの演技力に脱帽で、主人公の女の魂が彼女に憑依しているかのようや。『フェイシズ』同様に、クローズアップの多用はジョン・カサヴェテス監督らしい。映画は劇中劇から、虚構の中の虚構というかたちでスタート。もうこの時点で、本作の魅力に惹かれ、どっぷりと映画世界に入り込んでしまう。

舞台上から客席視点のショットに切り替え、俳優陣を捉える。そんな巧みな演出で観客を映画世界に引き込んでくる。まるで、精神に変調をきたした女優の、劇中で見せるアドリブ演技のように、カメラも即興的なように思える。

ダウナーな内面描写の連続に、こちらまでヘロヘロになるが、大女優としての面目を保たせる主人公と舞台俳優のヒリヒリとしたラストの即興的掛け合いは圧巻で妙な高揚感もある。いやー、生々しい。映画が生きている‼︎意味わからんけど、映画にして映画にあらずって感じ。