メランクさん

オープニング・ナイトのメランクさんのレビュー・感想・評価

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)
5.0
U-NEXTの配信終了前にギリギリ間に合った

でも眠さと酔いで最後はキツかった。
しかしウイスキー合う映画でしたよ。

今作ももろに女性の話であり、
ジーナ・ローランスが苦しむ作品でした。

パッションに突き動かされているだけのような17才の少女との出会いと死、
不本意に演じさせられる老齢の女、
当時はそんなもんだったのかもしれないが
演出家も舞台上でも不条理にぶたれるということ。
その全てと向き合おうとする一方で、
逃避するように煽るウイスキー。
女優であるがゆえに女であることを軽視され、
単純な愛情を乞うことすら拒絶される孤独。
なんか是枝監督の「真実」すら陳腐に思えるほど、
女優だって女であり、人間であることを突きつけてくる。
(まぁあのファビエンヌのような女優だって当然あり得ると思うけれど)

ただ本当に娼婦だったり女優だったり、
女性性に依拠しがちな職業の女性の視点から
彼女たちの苦しみと不条理を描かせると
マジで現在に通じるものにしてしまうカサヴェテスの演出すごすぎ。
宮尾登美子の作品にも通じる強度に魅了されました。
強引に4作見れてよかったし、
他にもまだU-NEXTで見られる作品もあるので
これからカサヴェテスは見てきたいと思います。
特集したcoyoteのバックナンバーも買ったし。