全編歌舞伎なセットで繰り広げられる豪華ながら非情な姥捨て山のお話
1958年製作とは思えない凄いセット!
山も木々も川も畑も、茅葺きの村の家々も凄いクオリティ☆
長野県の設定だそう。
そこでは70歳になったら楢山に行くという風習があった。
つまりは口減らし。
主人公のおばーちゃんは69歳。
来年は楢山様に行くのに、まだまだ歯が丈夫で悩んでいた。
そこへ嫁を亡くした息子に、隣村から嫁が来た。
これがまたイイ嫁なんです。
で、これなら安心して楢山に行ける!と、自分で歯を折って支度を始めるおばーちゃん。
ひぃ。。。
そしてついにその日が来た。
息子に背負われて楢山に向かうのだが……
という展開。
姥捨て山系の『デンデラ』な楽しい強いババアの話かと思いきや、ひたすら重苦しい悲しい作品でした。
そもそも歌舞伎な長唄で繋げる手法がなんとも重々しくて。
観ている人間の精神的ダメージが半端ないです。
場面転換に垂れ幕やライトや様々な舞台装置みたいなのを用いているのも凄い!
それ故、非現実的に思えるのだけれど、そこで起きているのはなんとも非情な口減らし。
おばーちゃんはそれを受け入れているけれど、連れていく息子の胸中は……
でも孫はアホで、
ばーちゃんさっさと山に行けよ~
とかホザくんです!
なんなのこいつ?
働きもせず、嫁孕ませて、一緒にタダ飯食わせて貰ってるのに、よくそんなこと言えるわ。。。
口減らしなら、まずこのアホを谷にでも突き落とせば良い!
そんな凄い作品でした。
緒形拳主演で1983年にリメイクされているそうですが、そちらはなんと2時間超えw
この内容で長いとか、立ち直れなくなりそうですが、いつか観てみたいです!